ペパーランド小宮山さんインタビューその4
(その3からのつづき)
ーー小宮山さんが新しい技術などを取り入れるきっかけになったのがエンタープライズだったということですね。
実はエンタープライズの前に・・・。
79年くらいに山野純二さんというかたが「ホビージャパン」でフルスクラッチでロビーを作られてましてね・・・。
(そういえばまだ取ってあるはず、と掘り起こしを始める小宮山さん。あるはずなんだけどなあ、この間片付けちゃったかなあ、と残念ながら掘り起こされず)
その山野さんがロビーを初めて複製して型取りして量産してらして。
それが日本におけるガレージキットの第一号と言われてます。
それが欲しくて欲しくて。ちょうどちょっと前に日曜ロードショーでやった「禁断の惑星」を観て、ツボにはまりまして。
正直に言ってぼくは、SF映画No1は「禁断の惑星」だと思ってます。
で、そのロビーをスクラッチしようと、山野さんの見よう見まねで、初めて型取り複製して。
山野さんはポリエステル樹脂を使ってらしたんですけど、僕は初めてキャストを使いました。
あの頃はまだ東急ハンズがなかったので銀座の伊東屋で買いました。
伊東屋は結構素材とかがありましたね。今のハンズみたいな感じでしたね。
そのロビーをいくつか抜いたのが、「宇宙船」の聖さんの目に止まって
こういう特集をしたいということで、しばらくお手伝いして、その時にいろんな人とつながりができました。
ーーガレージキットを販売したりはしなかったんですか?
売ったりはしませんでしたね。
名刺代わりにあげたりとか。
ロビーといっても1/35の小さいものですし。
あの頃大阪のほうでもレジンでモスラを作る方と方が出始めて、翌年くらいに海洋堂もキャストでガレージキットを出し始めた。
ーー「宇宙船」の特集で、ゴジラのフルスクラッチをやっていたのを覚えています。
ゴジラのフルスクラッチは品田冬樹さんがやってらっしゃいましたよね。
当時ひじりさんの杉並のご自宅に休みのたびににみんな集まっていて、開田裕治さんとか品田冬樹さんと(かすみやかずお)さんとかがいらしていて、自分のロビーとかを持っていってました。
聖さんが、アメリカのコンベンションでジュピター2号のバキュームフォームキットを買っていらしたんですが作り方がわからないと。
僕は飛行機でバキュームフォームキットを作っていたのでそれを作らせていただいて、「宇宙船」に載って反響があったりとか。
本当にスタートレックを意識したのは、そのあたりのSFにはまってからですね。
ーースタートレック以外のSFキットはどんなものを?
なんでもやりましたけど、模型的に魅力があるのはITC関係のサンダーバードとかキャプテンスカーレットとか謎の円盤UFOとか、永遠のテーマですよね。
何とかキットをベースにディティールアップしていいものを作りたい、という。
ウルトラホークとかマイティジャックとか、なんで60年代のメカってなんであんなに魅力的なんですかねえ。そのあとネタが出つくしちゃったんですかねえ。
最近いろんな方とよく話しているのは、メカデザインの60年代から続いて70年代のスターウォーズとかギャラクティカ、TMPを経由して82年のブレードランナーあたりが頂点で、そのあと退化してるんじゃないかと。見せ方とか。
***その5につづく!