金曜日, 19 of 9月 of 2025

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ペパーランド小宮山さんインタビューその6

(その5からのつづき)

ーー前輪がハの字になってるところもいいですね。

ブガッティはこのキャンバー角が強いんです。
部品の精度も金属にかなわないですねえ。この薄さは絶対出ないじゃないですか。

ーーあとはデカく作るしかないですよね。でかいといえばイタリアのポケール社製が1/8でしたね。

ポケールも2台作りました。完成したのはアルファロメオ8C2300とロールスロイス・ファントム。

ーーでかい模型ってスケールがヘンなのがありますね。

ドラゴンから再販されてるエッシのケッテンクラートとかキューベルワーゲンとか。
1/9とかいうサイズの模型、なんで9なんでしょうね。
GIジョーフィギュアが好きなので、寝て起きたら9が6になっててくれないかなあ、と。(大笑)
正直言うと、スタートレックの模型だって、完成品でいいのが出れば作らなくなってしまう気がします。

ーー今回のアオシマさんのがそのきっかけになってしまうかもしれない、と。

バンダイのもアオシマのも今までのはそんなに大きくないですけど、次に例えばマスターレプリカが20万円くらいで出れば。

ーーお店にある真鍮製のエンタープライズDのお値段は?数も少ないですよね?

あれは18万円くらいでした。エッチング加工した真鍮をマーキング加工してあります。

ーー塗装完成品ですよね?

はい。スケールは1/1000です。

ーーやばいですね。この程度のサイズで完成品が出れば小宮山さんがエンタープライズを作るのを辞めるという宣言とも。(笑)

だって作る必要なくなっちゃいますもん。買ったほうがいいじゃん、て。作る手間ひま考えたら。

ーーお店にある模型で一番苦労されたのはどれでしょう?

一番苦労したのは、最新のD型。作業じゃなくて、スケジュール。
雑誌「キャラクターエイジ」からの依頼で、最初はリライアントの予定でした。
プラッツさんからリライアントが来るはずだったので待ってたらいつまでたってもこなくて。
3週間くらいまえに、じゃあ、D型でいきましょう、ときらーくに言われて。
発光できますか、できますよ、って言って。
一番大変だったのが窓のマスキングですね。
アズテックパターンは、2色じゃなくてパールの微妙な色調なので・・みなさんの永遠のテーマですよね。
もしタイムマシンがあって、観られるんだったらTMPの撮影で作ったばかりの模型を観たいですねえ。(笑)

ーーせっかくタイムマシンがあるのに観たいのはそれ?!

あと観たいものって、この世の終わりとこの世の果てですね。

ーー仕事じゃなかったら、一番作りたい模型は何ですか?

そのときの気分にもよるんですよね。これをのんびり作ろうかな、と思うと「キャラクターエイジ」からオーダーがはいったりして。(笑)
最近は雑誌はみんな(販売部数が減って)厳しいらしいですね。車雑誌や模型雑誌も。

ーーガンプラがなかったら、プラモデル作成ってもっとシュリンクされてましたね。このままだと模型作る人がいなくなってしまいますよね。

ダグラムとかだと、自分のイメージでこのシーンをやろうと思うじゃないですか。でも今のマスターグレードでそれをやろうとは思わない。
今もマスターグレードは素直にそのまま作ろうと。ジオラマっていうのはピンとこない。
フレームがあって、装甲があって、と。
「キャラクターエイジ」の読者は、本で手にとって本で欲しい、という人が多いらしい。
本で観て模型を探す読者が結構いて、なので誌上通販があるんですよね。

ーー今、出てほしいスタートレックの模型は?

一番出てほしいのはDのもっとでっかい出来のいいキット。1/1000!
1/1000で、これ(*)と並べておけるから。
Dの1/350じゃ店に入らないので。(笑)
何年かまえにポーラライツがアキラクラスのUSSサンダーチャイルドを出すということだったんですがそんなの出さないでDを出せよ、と。(笑)
あと、手頃な大きさでオリジナルのエンタープライズ。
AMTの再販はもういいです、あれは出来が良くないので。
あともうちょっと大きいエクセルシオールのキットです。
AMTと同スケールのキットがバキュームフォームで昔ルナモデルから出てたんですけど、1/537だったのでそのくらいのが欲しいですね。

ーーずいぶん半端なサイズですね。

結構有名なんですよ。

ーー今回は、小宮山さんの欲しい模型はこれだ!という話題で締めさせていただきます。ありがとうございました!

ありがとうございました~。


第14回TFK 開催しました

今回のテーマは1979年制作の劇場版第一作、TMPこと「STARTREK : THE MOTION PICTURE」です。

「宇宙大作戦」が「スタートレック」と呼ばれ、巨大なスクリーンに「史上最も美しい宇宙船(当社比)」の姿を現したあの感動から、早くも30年も経っていたんですね。

内容については結構みなさん手厳しく(愛のムチ!)、転送事故が残酷すぎていまだにトラウマ、制服のイメージが本作だけ違いすぎる、デッカードかわいそう、なぜボイジャーなのか今も話が判らない、スポックの髪型がへんすぎ、などなど!!

私個人的には、回数も数えられないくらい観た作品で、宇宙を舞台にしたSF大作らしいスケールとじっくりみせる演出が好みです。今はSFと言えば地球舞台の娯楽活劇ばかりとなってしまったので。

ちなみにかつてのLD(レーザーディスクのこと)では、出航までだけで1枚目の片面が終わってしまいました(笑)

 

今回はお盆ということもあり、いつもより少なめな参加人数でしたが、小宮山店長と水野さんからのプレゼントでジャンケン大会もあり、変わらぬ盛り上がりでした。

10回参加記念品・小宮山店長特製メタルシップは、今回のために間に合わせていただいた「1701改装版」は、店長いわく会心の出来。磨き上げられピカピカの姿で、ファンのもとに。


次回開催は、9月17日(土)18時。

次回のテーマは、バルカン人!

みなさんの愛に満ちたエピソードをお待ちしています!

 


TFK14、本日開催です

14回目を迎えた TEN FOR WARD KAWASAKI。
今回のテーマは、TMP。

1979年制作の劇場第1作です。
まもなく18時、川崎で会いましょう!


ペパーランド小宮山さんインタビューその5

(その4からのつづき)

ーー自動車デザインがインダストリアルデザインに通じるものがあると思います。

スーパーカーブームの頃は確かにカウンタックのプラモデルも作りました。
ランボルギーニ・カウンタックですとか、ウラッコとか、フェラーリのディーノ308GT4、フィアットX-1/9。
あのへんの端整がデザインでいいな、と思っていたら全部同じ人のデザインで。
そうなんだ、おれはベルトーネのチーフデザイナー、マルチェロ・ガンディーニのデザインが好きだったんだ!と。
エスパーダとかガンディーニが抜けたあとのベルトーネのデザインはやっぱりちょっと。(笑)

ーーガンディーニらしい最後のデザインといえば、チゼタV16Tとかですよね。

雑誌で読んだら(最終デザインまでに)他の人が手を入れたとありました。
ガンディーニのデザインに修正を要求するなんて、名刀正宗に素人が焼きをいれなおしてどうする、と。(大笑)
V16Tのエンジンというのはウラコのエンジンを2つつなげてあるんですね。
環八のショールームで実物をみたことがあって。「チゼタじゃん!」って。
結構(車の全長が)長かったという印象があります。

ーーガンディーニとジウジアーロが無骨で直線、というデザインでしたよね。

ジウジアーロですといずずの117クーペあたりが好きですね。
確かにガンディーニのデザインはすごいけれど、美しいなあと思うのはピニンファリナのディーノ246GTとかフェラーリ308GTBあたりが綺麗ですよね。
あのあたりが新車で手に入るんだったら、400万以内だったら買ってもいいと。
1000万足りねーよ、とか言われそうですけど。(笑)

ーーミウラで程度がいいやつだと7、8000万円くらいしますよ。

ミウラってキャプからガソリンがオーバーフローして炎上する、って聞きましたけど。

ーーミウラは最近も麻布十番で炎上してましからね。

やっぱり本当なんだ。
僕はミウラを意識したのはカウンタックを見てからなんですけど、初めてミウラをみたひとはすごいと思っただろうなあ。
小学校の頃、カウンタックは302km出るけどフェラーリBBは300kmでカウンタックのほうが早いんだぞ!とか(笑)。
やたらスペックばかり知識としてはいっていましたよね。

ーー車の模型も結構作られたんですか?

車模型も作りましたねえ。
意外とクラシックカーが好きで、ブガッティが好きです。
最近作ったのはアオシマさんの扶桑なんですけど。
(と軍艦の模型が登場)

(さらにここで市販の完成品クルマ模型が登場)

ベンツSSKの模型ですけど、これって(ボンネットの)ルーバーがプレスで全部抜けてるじゃいですか。
自分で絶対できないですよ!
プラのパーツでいくらやってもどうやっても絶対出来ない。
木箱にツールは入ってるし、ボンネットのキャッチピンとかも可動する。
プラでやったらポロッととれちゃうじゃないですか。そういう弱々しさが全然ないですよね。
(といいながら、ツールボックスの中を見せてくださる)
で、これいくらだと思います?32,000円なんですよ!
え、なんでこんなに安いんだろうと。なんなんですか、このホイール(笑)。
(と、ここで本郷タケシの乗ったバイクが登場)

このバイクもスポークの張り替えを自分でやったんですけど、こんなのを一生懸命やってもとうてい太刀打ちできない。
1/24の(ミニカー)Bブラーゴなんか、プラモデルで出ていない車種があるとディティールアップして飾ろう、という時期もありましたけど、この出来になってしまうと、もう敵わない。
金属パーツを作るとしたら工作機械も必要ですし。
(ベンツSSKの)このフィーエルキャップが開くんですよ。おいおいって感じですよ!
こんな値段で売っちゃだめですよ!(大笑)
この幌のフレームだって、多分ライブで動くはず。
いっさい妥協がないですし、とてもちょっとかなわねーよって。
待ってれば出るよ、っていうのと一緒で、じゃこのメーカーがブガッティを出してくれるんじゃないかと待っていたら、出たんです。
(模型登場)

もともとブガッティ自体がすごく好きなんですよ。
これを見てると古谷徹さんの声(カーグラフィックTVのオープニングナレーション)が聞こえてきますよね。
このレバーを動かすと、実車同様にブレーキシューが開くんですよ!
カーグラフィックTVのオープニングを観るたびに、ずーとブガッティのミニチュアが欲しいとずーと思ってたましたね。
モノグラムのキットの出来が良くなくて。

***その6につづく!